夜型かどうか。眠る時刻が毎日どれだけ揃っているか。夕食を食べ終えてから寝るまでが何時間か。2型糖尿病との関連が報告されている項目に答えていくと、いまの生活で何が積み上がっているのか、そのうちどこまでが自分で変えられる分なのかが見えます。
岡 博史 HIROSHI OKA
夜型かどうか。眠る時刻が毎日どれだけ揃っているか。夕食を食べ終えてから寝るまでが何時間か。2型糖尿病との関連が報告されている項目に答えていくと、いまの生活で何が積み上がっているのか、そのうちどこまでが自分で変えられる分なのかが見えます。
はじめにお読みください。
このページは、2型糖尿病との関連が報告されている項目を並べて、いまの生活でどれだけ積み上がっているかを見えるようにしたものです。発症する確率を計算するものではありませんし、診断でもありません。
配点は、下に挙げた研究で報告されたハザード比をもとに置いています。ただし別々の集団で行われた研究の数字を並べているので、合計点そのものに医学的な裏づけはありません。点数の大小より、どの項目に点がついたかを見てください。
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これは理論上の上限で、全部を今日から変える必要はありません。6万3676人の研究でも、BMI・身体活動・食事の質・喫煙・飲酒・睡眠時間の6つを考慮すると、夜型と朝型の差は72%増から19%増まで縮みました。順番としては、上から手をつけるのが効率的です。
点がついた項目はありませんでした。いまの生活を続けてください。
| 日時 | 合計 | 変えにくい | 変えられる |
|---|
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夜遅い食事で血糖が上がりやすいかどうかには、MTNR1Bという遺伝子が関わっている可能性が報告されています。メラトニン受容体1Bに関係する遺伝子で、rs10830963という一塩基多型のGアレルが、空腹時血糖の高さやβ細胞の機能と関連づけられてきました。ヨーロッパ系集団の大規模研究では、Gアレル1コピーあたり空腹時血糖が平均およそ0.07 mmol/L高く、2型糖尿病のオッズ比は約1.09でした。
スペインの845人の試験では、Gアレルを少なくとも1つ持つ人が50%(CG 40%・GG 10%)で、就寝1時間前の糖負荷による耐糖能の悪化は、この人たちほど強く出ました。
ただし効果の大きさは民族集団によって差が報告されていますし、Gを持っていれば糖尿病になる、という話ではまったくありません。持っていなくても夜食が無害になるわけでもありません。このチェックのために遺伝子検査を受ける必要はありませんので、上に出てきた「変えられる項目」から手をつけてください。
クロノタイプ/米国 Nurses' Health Study II の女性看護師6万3676人を平均7.4年追跡し、1925人の2型糖尿病発症を確認。「明確な夜型」は「明確な朝型」に比べ発症ハザード比1.72でしたが、粗発症率は10万人年あたり612件対342件です。BMI・身体活動・食事の質・喫煙・飲酒・睡眠時間の6つを調整すると1.19(95%信頼区間 1.03〜1.37)まで縮みました。このページでは6項目を別に配点しているため、クロノタイプには調整後の1.19を使っています。対象は平均約54歳・97%が白人の女性看護師で、質問1問による自己申告です。日本人男性や他の年代にそのまま当てはまる数字ではありません(PMC11196991)。
睡眠の規則性/UK Biobank の40〜79歳7万3630人に活動量計を7日間装着し、睡眠規則性指数(SRI)で評価。8年間で1794件の2型糖尿病を確認し、規則的な群に比べ中程度に不規則な群は1.35、最も不規則な群は1.38でした。毎晩7時間以上眠る人に限っても1.29と1.35で、関連は消えませんでした(PMC12328258)。なおこの研究は「夜型」と「不規則」のどちらが危険かを比べたものではありません。
夕食から就寝までの時間/スペインの成人845人が、普段の就寝4時間前と1時間前の2条件で、8時間絶食後に75グラムのブドウ糖を飲む糖負荷試験を無作為な順で受けました。1時間前の条件では血糖AUCが8.3%高く、インスリンAUCは6.7%低く、血中メラトニン濃度は3.5倍でした。これは2時間の急性反応を見た試験で、長期の発症を調べたものではありません。だからこのページでの配点も小さくしてあります(PMC8918262)。
睡眠時間/米国のAASMとSleep Research Societyは成人に規則的な7時間以上を推奨しています。日本の厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、個人差を考慮しながら6時間以上を目安とし、おおむね6〜8時間を適正な範囲としています。この項目だけはハザード比ではなく、この2つの目安から置きました(厚生労働省)。
年齢・家族歴・肥満・血糖高値の指摘/2型糖尿病の確立したリスク因子として広く知られているものです(NIDDK)。このページでは、いずれも報告されている関連より控えめな配点にしてあります。
配点は「報告されたハザード比の自然対数×100」を目安に置き、研究で区分が示されていない中間の選択肢は対数目盛で補間しています。研究ごとに集団も追跡年数も違うため、これらを足し合わせた合計点は検証された予測モデルではありません。気になる項目があれば、点数ではなく健診や医療機関で血糖を確認してください。糖尿病の治療を受けている方が食事の時刻を変えるときは、低血糖を避けるため主治医にご相談ください。